イギリスとお茶の文化


好奇心が、やがて東洋の茶の文化に対する畏敬と憧憬に変わっていきます。


その意味で、わたしは、ヨーロッパの近代史のひとつの出発点になったのが、東洋の茶の文化ではなかったか、と考えています。


「中国人も幾世紀の長きにわたってずいぶんお茶を飲んだかもしれないが、果たして彼らが、過去百年間にイギリス人がお茶から味わった喜びや楽しみの百万分の一でも、そのお茶からくみ取ることができたであろうか」(ギッシング前掲書)。


・・・このようにイギリス人をいわしめたほど、ヨーロッパのなかで、とくに東洋の茶の文化にいかれたのがイギリスでした。


イギリスがチャをくすりとして飲みはじめたのが17世紀なかごろ、やがてこれをリファインし、イギリス独自の茶の文化として仕立てあげました。


・・・つまり、かれらはチャのなかでも紅茶を選択し、それにミルクと砂糖を入れて飲むという独自の飲みかたを開発したのです。


では、海外旅行先として人気の高いヨーロッパのなかでも、どうしてイギリスにおいて、茶が国民的飲料として急速に普及したのでしょうか。


・・・そもそも茶がポピュラーな国民飲料になる以前のイギリスに、どんな飲みものがあったかといえば、水と自家製のエールしかなかったのです。


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