ヨーロッパ史を変えた東洋の茶
イギリス・・・
いえヨーロッパには元来、茶はなかったのです。
いまでも茶の木は育ちません。
16世紀なかごろ、ヨーロッパ人がアジアへ来航して、かれらははじめて中国、および日本でチャという飲みものを発見しました。
チャがたんなる飲みものであったならば、それほどヨーロッパ人の関心を誘わなかったでしょう。
チャがヨーロッパ人をいたく感動させ、かれらを魅了したのは、とくに日本の茶の湯文化でした。
かれらが来航した16世紀後半といえば、日本の茶道が千利休によって大成され、茶事が全盛をきわめていた時代です。
イエズス会の宣教師のおおくは、かれらの接する町人や武家支配階級がチャと茶の道具、茶会に最高の価値を見出していたことに、強い好奇心を寄せていました。
かれらからみれば、ろくでもないふるい釜や壺、ひん曲がった茶碗に、どうして日本人は万金を投じるのか。
一服のチャを飲むのに、どうして茶のたてかた、道具だて、飲みかたにいたるまで、いちいちむずかしい作法や儀礼を必要とするのか・・・。
茶の湯にまつわる、こうした一種の宗教的神秘的な儀礼が、チャに対するかれらの好奇心をいっそうかきたてたのです。
彼らは今でも、海外に行くなら日本がいいと言っているくらいお茶の文化に興味を示しているのです。