ティー・タイムに拘束される人々
「お茶の時間だけはなにか神聖なものをもっている。
それは家庭のいろんな仕事と心労が一段落をつげたことを示し、落ちついた団らんの夕べが始まったことを示している。
茶わんや皿がふれあう音を聞いただけでも、わたしたちの心はぬくぬくと満ちたりた気持ちになる」
・・・・と、ジョージ・ギッシングは『ヘンリ・ライクロフトの私記』のなかでこう書いています。
ティー・タイムの習慣のないわたしたちには、イギリスへきた当座は、アフタヌーン・ティーにはなにかしら異和感がありました。
しかし海外旅行で長くイギリスに滞在していると、ティー・タイムが近づくとやたらに喉が渇き、いらいらしてくるから不思議です。
イギリスでは午前11時のティー・ブレーク、12時半から2時の昼食、午後3時(または4時)のアフタヌーン・ティーと、ティーが職場の作業リズムを規定しています。
それに規定されて、体も1日に何回も周期的にティーを欲するようになります。
そして、ティーを飲んだあとの心の安らぎ、打ちとけた仲間と飲む幸福感・・・。
たしかにティーは、イギリスの上流階級から労働者にいたるまで、国民すべての生活を規制しています。